世界人道サミット

『世界人道サミット』の目的

相次ぐ紛争や自然災害、急速に進む人口増加や深刻な貧困、あるいは気候変動の影響などにより、私達が直面する人道危機はより複雑・大規模化し、人道支援ニーズもますます増大傾向にあります。また人道支援に携わるアクターの数も増え、新興国ドナーや民間企業など、その種類も多様化しています。加えて、ソーシャルメディアや携帯電話といった技術革新が進み、特に被災者自身が単なる支援の受け手に留まらず、積極的に情報発信をする機会ももたらされています。
 
このように国際人道支援を取り巻く環境がめまぐるしく変化する中、一人でも多くのいのちを救い、より効率的・効果的な人道支援を実現するためには、今何が求められているのでしょうか?2016年5月にトルコのイスタンブールで開催される『世界人道サミット』は、幅広いステークホルダーによる参加を通じて、既存の国際人道システムをいわば「21世紀型」に変えていくための方策を探ることを目的としています。

 

『世界人道サミット』のテーマ

以下の4つの相互に関連するテーマを中心に協議が行われる予定です。
 

1. 効果的な人道支援の実現
人道コミュニティは限られた資源を有効活用し、もっと効率的で効果的な支援を実現しなければなりません。こうした目的のため、多様なアクターとの連携をより緊密にし、また説明責任をより果たしていくためにはどういったことが必要とされるのでしょうか?

2. 脆弱性の低減とリスク管理
今後人道ニーズの増大を抑えていくためには、災害に対する脆弱性を減らしてリスクをよりよく管理していくことが不可欠です。人道危機の発生を予見し、最悪の事態に到る前に行動を起こし、そして危機が繰り返し発生することを防ぐため、各国政府と人道コミュニティ、そして開発援助関係者はどのような協力関係を構築していくべきなのでしょうか?

3. 支援を変容させていくためのイノベーション
人道ニーズがより複雑化するのに応えるためには、様々な既存システムの枠を超えて、技術革新を取り入れ、これまでとは異なるパートナーと協働するなど、もっと新しいことに取り組んでいく必要があります。こうしたことが現実のものとなるように、今何が必要とされているのでしょうか?

4. 紛争下で苦しむ人々のニーズに応える
世界中で武力紛争の規模や激しさが増し、さらにその期間が長期化する中、避難生活を強いられる何百万人もの人々が抱える人道ニーズは深刻かつ膨大なものとなっています。過酷な状況下で人道原則を遵守した支援を実現するため、人道コミュニティは様々なパートナーとともにどういったことを強化していけばよいのでしょうか?

『世界人道サミット』への道のり

2016年に開催される『世界人道サミット』を成功させるためには、政府関係者のみならず、市民団体、民間企業、そして被災された方々ご自身の体験に基づくインプットが不可欠です。このため、サミット本番に先立って世界中で9つの地域準備会合を順次行い、多様なアクターを巻き込みながら、また幅広い視点や経験を共有することで、サミットのアジェンダを創りあげていくこととなりました。
 
同時に、『世界人道サミット』特設サイトを通じたオンラインコンサルテーションも実施し、出来るだけ多くの方々に議論に貢献していただける仕組みも整えました。(オンラインコンサルテーションへの参加方法やソーシャルメディアの活用についてはこちらをご覧ください。)こうした協議の成果はそれぞれ報告書としてまとめられ、世界人道サミットの議題として組み込まれていく予定です。

『北・南東アジア地域準備会合』(7月23日~24日/於:東京)

今年の7月23日及び24日に、日本を含む北東アジアと東南アジア地域を対象とした準備会合が東京で開催されることとなりました。各国政府関係者のほか、人道支援および開発援助に関わる国連機関や赤十字、あるいは非政府組織(NGO)、さらには民間企業、軍関係者、研究機関等、対象16カ国からの幅広い参加を予定しています。
 
『北・南東アジア地域準備会合』は、上記4つのテーマについて特に地域の経験と現状に即して教訓と提言をつむぎだすことを目的とし、その成果が更なるグローバルな協議や他の地域準備会合に活かされることとなります。またこの地域準備会合は当該地域に属する各国政府や地域機構、国連機関、赤十字組織、市民団体、民間企業、学術機関の代表者からなるステアリンググループ(RSG)が中心となって具体的な準備を進めています。そして各ステークホルダー毎に各国で形成されたネットワーク等を通じて地域準備会合のための事前協議が進められます。同時にこの地域に特化したオンラインコンサルテーションも行われ、その成果も7月の本番に活かされることとなります。