フィリピン台風災害:情報管理でいのちを救う

2013年11月、台風30号(ハイヤン)がフィリピンに甚大な被害をもたらしました。そして、OCHAは被災地各地に拠点を設け、大規模な国際支援活動の調整にあたってきました。調整メカニズムが円滑に機能するためには、適切な情報管理が欠かせません。調整拠点の1つとなったロハス市で、OCHAがどのような情報サービスを提供し、こうした情報がどのように活用されているのか。現地からのレポートです。
 
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フィリピン台風災害:情報管理でいのちを救う

台風30号(ハイヤン)がフィリピン諸島を直撃してから一ヵ月半が経ち、現時点での犠牲者数は約6,000人、また被災者数は1,400万人余りにのぼります。これほど大規模な災害となると、支援活動を調整するのも容易ではありません。OCHAは発災直後から常に最前線に立って、各地に一連の調整拠点を設けてきました。カピス州の北端に位置するロハス市もその一つです。
 
ロハス市では、政府や軍、また世界各地から集まったNGOや国連機関が、効率的で統率の取れた支援を提供するために、力を合わせて活動しています。そして、関連情報が随時アップデートされ、こうした情報が調整メカニズムを円滑に動かすための潤滑油の働きをしているのです。
 
「自分の担当地域で誰が活動しているかを知れば、その活動を応援することが出来ますし、支援物資の配布計画作りにも役立ちます。カピス州での各団体による活動状況を把握するには、OCHAが頼りです。」カピス州行政官 ジョゼ・ヴィラヌーヴァ氏はこう述べています。
 

地方自治体に対するサポート

それ以外にも、OCHAの3W(誰が、どこで、どんな活動をしているかを登録するデータベース)も非常に便利なツールで、フィリピン軍もこのデータを計画策定に大いに活用しました。この点について、フィリピン軍のクリストル・ヴィララント氏は次のように述べています。「西ビサヤで支援物資の配布が円滑に行われるよう、私たちは当地に展開しました。OCHAが提供する情報に基づいて、被災者支援のためにフィリピンに来てくれた国際人道支援機関をサポートしています。私たちが活用しやすいよう柔軟な形で情報が提供されたことに感謝しています。」
OCHAが提供する情報サービスのタイムリーさを、ビクター・タンコ カピス州知事も高く評価しています。様々な省庁の大臣などが訪問した際に、OCHAが独自に作成したポスターを説明資料として使ったくらいです。「我々の州における支援活動の複雑さと、達成できたことを説明する上で、OCHAはとても助けになりました。」
 

現地オペレーションに対するサポート

ロハス市におけるOCHAの役割のひとつは、国レベルで入手できたデータを、地方レベルで活動する団体にも、有用で意味あるものに加工することです。国連児童基金(UNICEF)が率いる『児童保護クラスター』と手を組んで、自治体レベルのデータを再分析し、地域ごとで的を絞って優先的に取り組むべきことを把握することが出来ました。
 
「OCHAは鍵となる情報源を特定し、数字情報をときほぐす手助けをしてくれました。おかげで、推測ではなく、実際に入手可能なデータに基づいて、優先課題を導き出すことが出来ました。」『児童保護クラスター』のコーディネーター、ヴェリティ・ラシュトン氏は言います。
 
情報管理に携わるフィリピン関係者の中でも、社会福祉開発省(DSWD)がその中心的役割を果たしています。彼らは仮設キャンプの管理、避難所、食糧や物資、被災者の保護といった各分野における、フィリピン政府側の責任者です。そして、OCHAは、地域や州の社会福祉開発担当官がスムーズに業務を遂行できるよう、必要となる情報を提供しました。
 
レベッカ・ジェマラ氏はDSWD地域窓口として食糧分野に携わっています。「私たちはOCHAが提供する情報を頼りにしています。その情報は正確で、クラスターメンバーに提供する上でも役立っています。だからこそ、何かあればいつもOCHAに助けを求めます。」
 

頼れる情報源

DSWDの仮設キャンプ管理の地域担当官、ジュディス・タナット氏は、会議の開催や現地での調整作業だけでなく、誰がどんな情報を持っているかを把握するOCHAの能力についても強調しています。「OCHAは必要な情報を入手する上でいつでも頼りになります。もし万一彼らの手元になくても、誰に頼めば入手できるのかをちゃんと分かっているのです。」
 
OCHAロハス事務所長、フェルナンド・アロヨ氏は、情報管理を統合的にすすめる必要性を訴えています。「パナイ島では多くの支援機関が活動しているので、支援が重複したり、資源が最適な形で配分されないおそれがあります。だからこそ、調整が欠かせません。OCHAによる支援の効果が認められるためには、私たち自体が頼れる情報源にならなければならないのです。」