OCHAの役割

人道支援活動の調整

国連人道問題調整事務所(OCHA)は、自然災害や紛争などの人道危機に際して、効果的な支援が実現するよう、各国政府や他の国連機関、赤十字組織やNGO等との連携・調整を担っています。
 
具体的には、各国に置かれた国連人道調整官の補佐役として、現地の人道カントリーチームを取りまとめるほか、組織間連携の枠組みや資金手当のしくみを整えています。そして、支援を必要とする国ごとの人道ニーズや優先順位を把握し、包括的かつ戦略的な支援計画を取りまとめています。また突発的な災害などの際には、すみやかに専門スタッフを派遣する体制も備え、機関間常設委員会(IASC)や、国際災害評価調整チーム(UNDAC)、国際捜索救助諮問グループ(INSARAG)など国際的な調整メカニズムの事務局も務めています。一方で、将来の災害などに十分対応できるよう、各国政府や援助機関等と共に備えを強化しています。
 
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過去の対応事例(日本語)
ネパール:大地震(2015年)
フィリピン:台風ハイアン(2013年)
フィジー:トロピカルサイクロン・エヴァン(2012年)
ハイチ:大地震 (2010年, 動画)

政策策定

人道問題に関して国連事務総長を補佐する、人道問題担当国連事務次長 兼 緊急援助調整官のもと、OCHAは人道支援に関する政策策定を担っています。具体的には、人道危機の潮流を踏まえた政策課題を特定しつつ、人道原則や国際法等に則り、援助機関の垣根を越えた政策を醸成し、その周知に務めています。また、タイムリーで効果的な支援を実現するため、人道支援の実務家や政策立案者に対し、実際のデータに基づき政策的な助言を行っています。一方、過去の人道支援の教訓や成功例を洗い出し、今後の支援に活かす取り組みも進めています。
 
主な政策課題には、紛争下で人道支援を行う際の政府や軍との関わり方や文民の保護があります。また、干ばつのように緩やかに進行する大規模災害に対して政府や市民の対応能力を強化したり、紛争後の復興や平和構築を見据えた人道支援を行うためにも、人道支援と開発援助の連携が重要な課題となります。人道支援におけるジェンダー配慮も欠かせません。OCHAは人道支援全体に関わるこれらの問題について規範となる基準を示し、政策的支援を行っています。
 
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啓発・理解促進活動

人道危機によって苦しむ人々の声を国際社会に届けることもOCHAの役割です。被災国政府、援助機関やNGO、メディア、民間企業、ドナーなどに働きかけ、必要な資金を速やかに確保し、支援政策を調整し、確約事項が実行されるよう促しています。また、緊急援助調整官によるプレスリリースやインタビューニュースストーリー等を広く発信すると共に、ソーシャルメディアを使ったキャンペーンも展開しています。一方で、人道性・中立性・独立性・公平性といった人道原則を護持しつつ必要な支援が届けられるよう、紛争当事者等へ個別の働きかけも行っています。
 
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情報管理

自然災害や紛争といった人道危機が発生した際、支援活動をできるだけ効率的かつ速やかに進める上で、情報管理が鍵となります。人道支援を必要としている人々がどこにいるのか、緊急に必要とされているものは何か、誰がそうした状況に対応すべきかなどを判断するため、信頼できる情報が不可欠となります。また危機の発生を事前に予測することにより、被害を減らすための予防的活動も可能となります。
 
OCHAはそうした人道情報を収集、分析、共有する役割を担っています。これらの情報は、国連機関のみならず、被災コミュニティや援助団体、各国政府やメディアなど、組織や分野を横断した幅広いネットワークを通じて集められます。そして包括的なデータや分析結果を、レポートや地図、表やグラフなどにまとめ、これらを広く配信して迅速な意思決定をサポートしています。このため人道危機の関連情報を24時間配信しているリリーフウェブ(ReliefWeb)をはじめ、関連の情報管理サイトを運営し、デジタル化に伴う新たな情報管理ツールの開発も進めています。
 
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資金手当

人道危機の際、国連やNGO等の援助機関の資金調達をサポートする基金をOCHAが運営しています。国連中央緊急対応基金(Central Emergency Response Fund: CERF)と国別プール基金(Country-Based Pooled Fund: CBPF)の2種類で、どちらも各国政府や民間ドナーからの自発的拠出によって支えられています。CERFは主に国連人道機関を直接的な支援対象として、突発的な大規模災害に対応する他、「忘れられた危機」と呼ばれる注目が集まりにくい状況に置かれた人々の生活を支える目的でも使われています。他方CBPFは、特定国の人道危機に対して支援を効果的に行うためのプール基金で、現地で活動するNGO等、幅広い援助機関の支援活動に対して資金を提供しています。

また各国政府や民間ドナーは、現地で活動する援助機関がまとめた人道対応計画(Humanitarian Response Plan: HRP)に基いて資金拠出を行います。HRPの取りまとめはOCHAが担い、この中で支援の戦略的優先順位が特定されています。加えて、全ての資金手当てに関する情報を、資金追跡サービス(Financial Tracking Service:FTS)というデータベースで管理し、資金需要や国別・機関別の資金活用状況などを公開して透明性を確保しています。
 
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