2019年3月21日、ブルキナファソのバルサロゴにて。国内避難民キャンプの給水所。写真: OCHA/Eve Sabbagh
1. 支援ニーズの調査と分析
2. 戦略対応計画の策定
3. 資源の動員
4. 実施とモニタリング
5. 活動業務の見直しと評価
これら5つの各要素が、それぞれその前の要素をもとに構成され、また次の要素へつながるような、切れ目のない流れを形作っています。そして、このサイクルがうまく機能するかどうかは、いざという時のための備えや、被災国の中央および地方政府あるいは様々な人道支援アクターとの調整、情報管理などが効果的に行われているか否かにも左右されます。
個別の人道危機や緊急事態について、影響を受けた人々の支援ニーズを把握し、その優先順位を判断することで、効率的で一貫した人道支援活動が可能となります。特に人道危機が長期化するにつれ、数多くのより詳細な情報が必要となります。クラスターあるいはセクターと呼ばれる専門分野毎の細分化された情報収集を行うとともに、こうしたニーズ分析を分野横断的に合同で行う等、調和の取れたアセスメントアプローチも必要となります。このようにして取りまとめられた成果が、
人道ニーズ概況となります。
人道ニーズ概況をもとに、人道カントリーチームは
戦略対応計画を策定します。人道ニーズ概況で示されたニーズを満たすことが戦略対応計画が示す戦略目標となり、その国で活動する人道コミュニティ全体としてどのように目標を達成するのかを説明しています。また各クラスター毎の支援計画はこの戦略目標を達成するためにそのクラスターが果たす役割を規定するものとして、クラスター毎の活動目的や内容、さらには企図された成果等が詳述されます。このように、戦略対応計画は人道調整官と人道カントリーチームのための管理ツールとも言えます。
3. 資源の動員
2019年7月27日、イエメンのアデンにて。国内避難民センターでアセスメントを行うOCHAスタッフ。写真: OCHA/Matteo Minasi
支援活動モニタリングは、被災者に対する人道支援の進捗状況を追跡・調査する継続的なプロセスで、戦略対応計画で定められた目標や目的が実際に達成されたかを判断するものです。その際、被災者の多様性や支援に対する要望を考慮し、支援活動に投入された資源とその成果を追跡し、更にはクラスター別の活動結果をまとめ、戦略対応計画の戦略的目標の達成度を判定します。即ち、人道コミュニティが戦略対応計画で確約したことをきちんと実施しているかどうかを判断することになるため、特に説明責任という観点から人道プログラムサイクルの重要なステップの1つとされています。人道アクターは合意されたスケジュールに従って、情報の収集・分析を行い、こうして得られたデータは、定期モニタリングレポートとしてまとめられて公開されます。あわせて、「
人道ダッシュボード」も作成され、支援のニーズやギャップ、あるいは支援活動の進捗状況等を分かりやすく伝えます。
5. 活動業務の見直しと評価